注文住宅を考えている人の中には、ローコスト住宅を検討している方もいるのではないでしょうか。一般的な住宅よりも価格を抑えられるローコスト住宅は、とくに若い方に人気です。本記事では、なぜローコスト住宅が人気なのか、その魅力と注意すべきポイントや依頼先について解説しています。

ローコスト住宅の魅力

ローコスト住宅には、さまざまな魅力がありますが、最大の魅力は「建て替えのしやすさ」ではないでしょうか。ローコスト住宅という言葉に、明確な定義はありませんが「坪3０万円から」建てられる住宅をローコスト住宅と指すことが多いようです。一般的な住宅の坪単価は、60万円ほどといわれています。同じ35坪の住宅で考えたとき、ローコスト住宅であれば30万円×35坪で1,050万円、一般的な住宅であれば60万円×35坪の2,100万円支払えば、建築が可能です。住宅価格に2倍もの差があることがわかるでしょう。

これを住宅ローンに当てはめてみると、さらに価格の違いがわかりやすくなります。1,050万円を30年ローンで組むと、毎月返済額は約34,000円（金利1%、ボーナス払いなし）です。2,100万円だと、毎月返済額は約68,000円です。なんと、約34,000円の違いがでるのです。人生100年時代といわれ、長い人生を過ごす中で、「子どもが巣立っていったので、老後の生活がしやすい家にしたい」「歳をとった両親との介護用の家にしたい」など、建て替えを考える時期が来るかもしれません。そうした時に、住宅ローンを借りすぎてしまい、ローンが残っていると建て替えは難しいですが、ローコスト住宅なら建て替えがしやすくなります。

注意点も確認する

よいところばかりみていると「こんなはずじゃなかった」と、後悔してしまうこともあります。ローコスト住宅の魅力を紹介しましたが、注意すべきポイントについても解説していきます。

■断熱性、耐震性、耐久性が低い
ローコスト住宅も法律に沿って設計していくため、最低限の住宅性能は確保されています。耐震性や耐久性については、地震大国、災害大国である日本なので、厳しい基準が設けられており、最低限の性能でも安心できるでしょう。しかし、断熱については最低限の基準があまく、断熱性が低い住宅は冬場寒く、夏は暑くなってしまいます。ローコスト住宅は、こだわってつくられた高性能住宅に比べると断熱性が低く、快適性が損なわれる場合があるので、注意しましょう。

■自由度が低い
住宅設備や間取りの自由度は、低くなっています。ローコスト住宅は、住宅価格を抑えるために設備や建材などを規格化し、一括で大量仕入れしています。そうすることで、一つあたりの仕入れ単価を安くしているのです。間取りについても、凹凸（おうとつ）がないシンプルな間取りの方が、職人の手間を少なくでき、価格を抑えられるので価格が高い住宅と比べると自由度が低くなっています。

■保証期間が短い
一般的な住宅は、法律で義務化されている10年保証に加え、20年や30年保証もあります。さらに、高価格帯の住宅は、50年や60年といった長期保証もあります。ローコスト住宅は、法律で義務化されている10年間の保証をつけている場合が多いです。けれど、メーカーによっては、ローコスト住宅でも長期保証をつけているところや保証内容が充実しているところもあるので、個別に確認してみましょう。

ローコスト住宅の依頼先

ローコスト住宅の魅力や注意点について紹介してきましたが、どこに依頼すればローコスト住宅を建築できるのでしょうか。依頼できる住宅会社は、以下のものがあります。それぞれ特徴があるので、自身にあった住宅会社をみつけましょう。

■ハウスメーカー
日本全国で建築可能な住宅会社を指します。よくテレビコマーシャルをしているような会社はハウスメーカーであることが多いです。独自の商品タイプや設備を展開しており、商品も規格化されています。広告宣伝費でお金を使っているので、工務店や設計事務所のローコスト住宅と比べると価格が高くなりやすいです。

■工務店
地域に根ざした家づくりをしている会社です。ハウスメーカーと比べると知名度はありませんが、間取りなどの融通が効きやすい、価格をより抑えやすいといった特徴があります。

■建築設計事務所
建築家が所属している法人事務所のことです。建物のデザインを重視しており、施工自体は下請け業社などの別会社が行います。

以上、ローコスト住宅を建築する魅力や注意点、依頼先について紹介しました。間取りやデザインなどはシンプルなものでいいと考えている人や、住宅ローンを少しでも抑えたいなど、住宅にそこまでお金をかけたくない人、そしてキッチンやトイレなどの設備は、ハイグレードのものではなく使い勝手が良ければいいと考えている人はローコスト住宅がおすすめといえるでしょう。ただひとくちにローコスト住宅といってもさまざまな依頼先があるので、自身に合った住宅会社を探しましょう。最初から一社に絞るのではなく、数社をそれぞれ比較することをおすすめします。

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