赤ちゃんもペットも安心!自然素材を使った注文住宅の魅力とは
自然素材の住宅は、赤ちゃんや動物がいるご家庭でも安心して暮らすことができますが、その理由はどんなところにあるのでしょうか。ここでは健康被害が起きる原因、自然素材を使うメリット、自然素材はアレルギー体質の人でも安心なことについて解説していきます。これから自然素材の家を建てることを検討している方はぜひ参考にしてくださいね。
健康被害が起きる原因とは
シックハウス症候群や科学物質過敏症などの言葉を聞いたことがありますか。いずれも建築資材や工業製品に使われる化学物質が主な原因で起こる症状です。症状はさまざまで「目が痛く、涙がでる」「喉が痛い」「鼻がツーンとする」「吐き気がする」といったもものから「めまいがする」「意識がもうろうとする」「神経障害が出る」などといった重篤な症状が出る方もいます。
これは個人差が大きく、まったく症状のない方もいます。これらの症状が出た場合は、何よりもまず換気が大事です。窓を開けて換気扇を回し、部屋の空気を循環させ、空気中の濃度を下げるようにしましょう。これらを引き起こす化学物質はホルムアルデヒド・アセドアルデヒド・トルエン・キシレン・パラジクロロベンゼンなど多岐に渡ります。しかしこれらの物質は住宅の内外装の接着剤・工作機械・塗料・剥離剤・潤滑剤・防虫剤・殺虫剤として使用されています。
自然素材を使うメリット
自然素材と聞くと「体に安心」「天然のものだから余計なものが入っていないんじゃない?」といった漠然とした感想を持つ方がほとんどではないでしょうか。たしかにそのとおりですが、厳密には何をもって自然素材かという明確な定義はありません。
「製品のすべてが自然素材でなければならないのか」「自然素材を生産する過程での薬剤の使用、その使用量」「原産地、製造方法」などに規定はないのです。自然素材にはさまざまなものがありますが、住宅に使用される素材の代表格が無垢材・漆喰・珪藻土です。無垢材は名前のとおり木を切り倒し、そのまま建築資材として形を整えたものです。
メリットとしては、化学物質を含まないこと、優しい木の香りが楽しめること、調湿効果に優れることなどがあります。
また、年月を経るとともに味わいが増し、馴染んでいく楽しみがあることや、集成材より火災、シロアリに強いなどの点もメリットといえるでしょう。
漆喰とはサンゴなどが固まってできた石灰石を砕いて加水した物で、塗り壁の塗り剤や屋根の瓦を固定するために使用されます。珪藻土は、珪藻の化石が土として固まったものを指し、バスマット、日用品、内壁剤などに使用されます。これらのメリットは、調湿機能があり、家の中の湿度を一定に保ってくれること、空気清浄機能があり、科学物質や微細な埃、ダニの死骸、ウイルスなどを吸着してくれることなどがあります。
このように非常に有用な自然素材ですが、デメリットもあります。工業製品と比べて高く、まとまった数を確保するのが難しいことや、本来必要な住宅の強度を担保する工夫が必要なこと、メンテナンス回数が多く必要で、その分時間もお金もかかるといったものです。自然素材を住宅に取り入れる際は、ある程度の資金の余裕とメンテナンスサイクルを確認する必要があります。
自然素材はアレルギー体質の人でも安心
先述のように住宅に住んでいる事による健康被害があることをお話ししました。では、どのような建材、どのような化学物質が被害をもたらすのでしょうか。原因の建材として挙げられるのが、ビニール壁紙と集成材、合板などの木材です。ビニール壁紙は、通常石膏ボードに貼り付けますが、これの貼り付けには接着剤が必要です。
この接着剤は主にホルムアルデヒドという樹脂から生成された刺激臭のある物質が使われています。人体には、目、鼻への刺激、皮膚炎などの影響があり、中毒性もあります。ひどくなると意識の混濁、神経系の障害、気管支炎になることも。建築躯体などに使用される集成材、床の下地、屋根の野地裏などに使用される合板にも化学物質が使用されています。集成材は薄い板を何層にも接着して強度を上げた建材です。強度に優れ、価格が安いので大量に使用されています。合板も同様です。
これらを作成する際には薄い板を何層にもわたって接着しなければならないので、大量の接着剤が必要になります。このように住宅には多くの部分で化学物質に触れる機会があります。症状の出る人にとっては、危険な化学物質の中で生活しているといっても過言ではありません。
とはいえ、この化学物質の危険性は政府も認識しており、現在はできるだけ人体への影響がないものを使用するように法律で定められており、基準をクリアした物しか建築材料として使用できないようになっていますので、影響は以前より少なくなってはいます。しかし、化学物質が使われていることは事実なので、気になる方は自然素材を選択するのが良いでしょう。
健康被害が起きる原因、自然素材を使うメリット、自然素材はアレルギー体質の人でも安心なことについて解説してきました。自然素材はメリットがある反面、デメリットもあります。自身の住宅に求める優先順位、予算などを加味して導入を検討するようにしましょう。今回の記事を参考に、住まいに自然素材を導入してみてはいかがでしょうか。