家族を守る!注文住宅でできる防犯対策とは
住宅を建築する際、重要なポイントが防犯です。自分で気をつけているつもりでも、知らず知らずのうちに侵入しやすい家になってしまっている可能性があります。ここでは、土地選びから始める防犯対策、防犯対策として有効な設備、自分でできる防犯対策について解説していきます。
土地選びから始める防犯対策
新築で住宅を建築する際、防犯上重要なことの最たるものは、土地が防犯上好ましいかということになります。いくら設備や防犯グッズを活用しても犯人はあの手この手で侵入を試みます。土地が防犯に適していればそのようなお金や苦労を最小化できるのです。では、具体的にどのような土地が防犯上、好ましくない土地なのでしょうか。
それは、
「隣接する土地にブロック塀、高い木がある」
「隣接する家と家の空間が道から見て死角になる」
「人通りがまったくない」
「隣接する土地に登れるようなものが置いてある」
「道に面する部分が少ない」
といったものになります。犯人は住宅に侵入する際、侵入路の確保をまず考えます。1階より2階のほうが戸締りを忘れる可能性が高く、ブロック塀や高い木に登り、侵入することもあります。また、ブロック塀や高い木は、外部の人間がいることを気づかせない格好の隠れ蓑になります。
これらは、プライバシー上の目隠しとして活用もできますが、防犯上はマイナス要素です。犯人が最も嫌がるのがその侵入を誰かに知られることです。いつも人通りがある場所で2階によじ登ろうとしていれば誰かに気づかれるのではないかと思うのは自然な発想です。道から見て侵入経路が死角になっている、道に面する部分が少ないといった家は物理的に人の目にさらされないので狙われるリスクが高まります。
防犯対策として有効な設備とは
防犯対策をするには、泥棒がどこから侵入しているかを知る必要があります。ずばり、侵入件数が一番多いのが窓です。次に玄関、その他となります。侵入方法は意外にシンプルで、その半分近くが鍵をかけていない窓からの侵入です。次に鍵を壊したり、窓を破壊したりといった順になります。
ここからいえることは、防犯グッズを整える以前の問題で、「鍵を閉めてから外出しないと侵入される」ということです。「ちょっとゴミを捨てに行くだけだから」「近所に回覧板を届けるだけだから」といった理由で鍵をかけずに外出したため、その短い間に犯行が行われたことも多くあるのです。くれぐれも鍵の閉め忘れはないようにしましょう。普段から防犯意識を高め、侵入させない、侵入を諦めさせる家にする必要があるのです。
さて、防犯対策として有効な設備ですが、上記の通り、窃盗の犯人の多くは窓から侵入しています。それゆえ、窓を重点的に対策しましょう。具体的には
「2つ目の鍵をつける」
「外部から開けようとしてもつっかえがあって開かないようにする器具をつける」
「侵入を知らせるブザーをつける」
「窓ガラスに破損防止フィルムを貼る」
といったものになります。どれも比較的安価、効果的で、設置も簡単です。これらの器具は物理的に窓から侵入する犯人の侵入を遅らせ、心理的に諦めさせることが目的です。犯人の多くは侵入に5分以上の時間がかかると焦りからか犯行を諦めるというデータもあります。裏を返せば5分以内に潜入できる脆弱な防犯対策では入られてしまうということです。効果的な道具を選択しましょう。
そのほかにできる防犯対策
先述の通り、犯人の侵入経路や心理を逆手にとった対策が有効です。
「窓に格子をつける」
「死角になるところには、防犯砂利を敷いて侵入を躊躇わせる」
「センサーライトを設置する」
「防犯カメラを設置する」
「カーポートや屋根付きの車庫は、母屋と離しておく」
「高い木は植えない」
「物置、梯子など侵入を手助けするものは置かない」
といったことが考えられます。
窓に格子をつけるのは、侵入を物理的にブロックできるので、非常に有効です。しかし、中には工具を利用して格子を外して侵入する犯人もいるため、過信は禁物です。また、掃除、メンテナンス、費用の面でデメリットとなりますので、よく考えて設置しましょう。犯人は人に見られたり、大きな音が出たりすることを嫌がります。そこで侵入を諦めさせられればしめたものです。
防犯砂利やセンサーライト、防犯カメラはそれを手助けしてくれます。普段から侵入経路を作らないことも大切です。そとに梯子を放置しているのであれば、すぐにしまいましょう。「どうぞ入ってください」といっているようなものです。建築する段階から防犯上好ましくない建物配置をしている家も多くあります。屋根付き車庫やカーポートが母屋に隣接しているとそれをつたって侵入を許すきっかけになります。
また、デザインやプライバシーを重視し、死角やくぼみが多い家も要注意です。犯人は死角が大好きです。そして、外部からどのように家が見えるのかよく観察してから犯行に及びます。外部から見えない部分がある家はプライバシーの観点からは有用かもしれませんが、防犯上は、犯人に隠れ場所を提供しているようなものですので、注意が必要です。
土地選びから始める防犯対策、防犯対策として有効な設備、自分でできる防犯対策について解説してきました。土地を選定する段階から防犯は始まっています。自分と家族を守るために、防犯グッズだけでなく、住宅を建築する際は防犯という側面も頭に入れて土地選び、レイアウトを考えてみてください。上記を参考に、防犯知識、防犯意識をブラッシュアップしてみてください。