注文住宅を検討している方は、ローコスト住宅という言葉を聞いたことがあるかもしれません。予算は抑えたいけど、品質は妥協したくないと考えている方には、ローコスト住宅がおすすめです。本記事では、ローコスト住宅を検討する際に、知っておきたい特徴や相場について解説しています。特徴を知ることで、後悔しない家づくりを実現しましょう。

ローコスト住宅とは?

ローコスト住宅とは、言葉の通り、安い価格で建てられる住宅のことです。「坪単価30万円から」建てられる住宅を指すので、35坪であれば1,050万円から注文住宅を建てられるのです。1,050万円の住宅であれば、今払っている家賃以下で、マイホームを建てられるかもしれません。一般的な住宅価格は「坪50～60万円」といわれているので、ローコスト住宅がかなり安い価格で建てられることがわかると思います。同じ35坪の住宅でも700万円以上の差が生まれるのです。

ローコストで建てられる４つの理由

では、なぜこれほど安く住宅を建てられるのでしょうか。ローコスト住宅に対して、「安いには、安いなりの理由があるのではないか」と感じている方も多いと思います。たとえば、品質に問題があって、住んでからの不具合が多いのではないかといったイメージです。けれど、ローコスト住宅は、品質に影響しない部分でコストカットしており、安い価格で品質のいい住宅を提供しているのです。その方法は、以下の通りです。

■材料でコスト削減
建築材料は仕入れ方法で、仕入れ価格が変わります。たとえば、一括で大量仕入れすることで、仕入れ価格を安くできます。ローコスト住宅は、設備や建材などを規格化し、統一することで、一括仕入れをしています。

■シンプルな家づくりにする
作業手間があるほど、住宅価格は高額になります。ローコスト住宅は、家のカタチをシンプルにし、職人の手間代や建材種類を絞っています。たとえば、同じ家の広さでも凹凸（おうとつ）がある外観の家ほど、住宅価格は高額になります。職人の手間や時間がかかってしまうからです。ローコスト住宅は、シンプルなカタチの家づくりをしているからこそ、住宅価格を抑えています。

■宣伝費の削減
住宅メーカーは広告宣伝のために、テレビコマーシャルや新聞広告などの宣伝費を使っています。一般的に、テレビコマーシャルを15秒放映すると40～80万円ものお金がかかるといわれています。テレビコマーシャルを多くしている会社では、年間何10億円ものお金を使っているのです。その宣伝費も建物の価格に含まれているため、坪単価が高額になります。

たとえば、広告宣伝費を年間で100億円使って、年間で5,000棟の住宅を建築しているA社があるとします。この場合、施主一人あたり200万円の広告宣伝費が、住宅価格に上乗せされています。ローコスト住宅は、お金がかかりづらいインターネットやSNSなどの広告媒体を使うことで、広告宣伝費を抑えているのです。

■人件費の削減
ローコスト住宅は、建築材料の規格化や施工のマニュアル化など効率化を図っています。そのため、通常の住宅よりも工期を短縮できます。一般的な住宅の工期は4～5ヶ月かかりますが、ローコスト住宅の工期は2～3ヶ月が目安です。工期が短いので、大工など職人の作業日数を削減でき、人件費も抑えられているのです。

相場を確認しよう

ローコスト住宅の特徴を紹介してきましたが、実はローコスト住宅という言葉には明確な定義はありません。なので、建物価格が高くとも住宅会社が「うちはローコスト住宅」と主張できるのです。このような言葉を鵜呑みにせず、きちんと見極められるように、住宅価格の相場を確認しましょう。確認方法は以下の通りです。

■インターネットで確認
たとえば、「宮崎県注文住宅相場」とインターネットで検索すると、宮崎県で注文住宅を建てた人の平均建築費を知ることができます。住宅金融支援機構の2018年の調査結果によると、宮﨑県で注文住宅を建てた方の平均建築費は2,846.3万円です。

■複数の会社に見積もり依頼をする
いわゆる、相見積もりです。たとえば、テレビの購入を考えたとき、何軒か家電量販店をまわった上で、価格を比較し購入すると思います。注文住宅も同じで、価格を比較することで相場を知り、正しい意思決定ができます。

相見積もりをとる際は、伝える要望に大差をつけないよう注意しましょう。極端な例えですが、A社にハイグレードな設備の見積もりを依頼して、B社にローグレードの設備の見積もりを依頼したところで、比較しようがありません。相見積もりの依頼は、同じようなグレード、同じような要望を伝えましょう。そうすることで正しい相場を把握できます。

以上、ローコスト住宅についての紹介でした。ローコスト住宅は、品質のいいものをローコストで提供するために、仕入れ方法や人件費、広告宣伝費の削減などさまざまな工夫をしています。安くていいものを建てたいという方は、まずは住宅価格の相場を知ることからはじめましょう。そうすることで、適正な価格のローコスト住宅に巡り会えるはずです。

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